栗野的視点(No.736) 2021年5月24日
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ワクチン接種予約で感じたこと
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新型コロナワクチンの接種予約が全国的に開始されだした。
自治体によっては接種予約順を年代で分けているところもあるが、65歳以上の高齢者から先に接種するのは全国同じのようだ。
福岡市は75歳以上の後期高齢者が先に予約をし、65歳〜74歳の高齢者予約は5月19日から始まっている。
私も19日に予約手続きを開始し、それほど問題なく日時の予約ができたが、それでもまったく戸惑わなかったわけではない。
そこで以下、気づいたことを記してみたい。
1.高齢者には難しすぎる
このことは色んなところで耳にしていたが、実際に「ワクチン接種のおしらせ」を見て納得した。
そこには予約方法が次のように書かれていた。
イ)接種可能な医療機関へ連絡して予約
ロ)コールセンターに電話をして予約
ハ)ネットの予約専用サイトから予約
高齢者、なかでも後期高齢者はネットを使えなかったり、不慣れな人が多く、手っ取り早く電話で予約を、と考えるだろう。
私だってまず電話をしてみようと思う。電話なら不明な点は電話口で尋ねながらできるから。
ところが、これが大変。予約方法を電話で尋ねたいと思っても、どこに電話をすればいいのかが分からない。電話相談窓口が「おしらせ」の案内に明記されていないのだ(福岡市の場合)。
そこでコールセンターに電話して尋ねようとしても電話が繋がらない。いくらかけ続けても繋がらない。コールセンターに繋がらなければ高齢者でなくてもお手上げだ。
2.かかりつけ医で接種できるとは限らない
電話予約はコールセンター以外に「接種可能な医療機関へ連絡」でもよくなっている。
では、「接種可能な医療機関へ連絡」と言われれば、普通は「かかりつけ医」に電話連絡しようとするはず。ところが、ここでまた問題が起きる。
TVなどでは「かかりつけ医」と言っているが、「おしらせ」用紙には「接種可能な医療機関」と書かれている。つまり「かかりつけ医」と「接種可能な医療機関」は別ということだ。
因みに私は同封別紙の一覧表で「かかりつけ医」を調べたところ表示されてなかった。しかし、「後で拡大されることもあるらしいから、直接かかりつけ医に電話してみるといい」ということも聞き、帰福前にホームドクターに電話して確認した。
結果は変わらず、ホームドクターのところではワクチン接種できないことが分かった。
ただ、その電話で少し分かったこともある。
新型コロナワクチンは冷蔵庫を準備したりと保存が大変なため、小さな診療所(医院、クリニック)では対応できないので接種機関になることを辞退している。
この点がインフルエンザワクチンと違うところで、インフルエンザの時にワクチン接種をしたから今回もそこでできるとは限らない。
かかりつけ医からは「済みませんね」と謝られたが、集団接種会場の方が順番が早いという情報を教えられた。
3.電話よりネットの方が予約を取りやすい。
上記のような点から電話予約よりネット予約の方がはるかに接続しやすいし、予約を早めに取れるらしいということが分かった。
だが、ネット予約ができるのはインターネットの操作に慣れている人以外には難しく、後期高齢者は結局、電話をかけ続けるしかなくなり、やっとの思いで電話が繋がっても1回目の接種ができるのは2か月後の7月からと待たされることになる。
家族と同居、あるいは家族が近くにいてネット予約をしてもらえればいいが、単身、あるいは夫婦、兄弟、姉妹等の2人住まいという高齢者は置き去りにされかねない。
さて、実際にネット予約をする段になってもスンナリと行くわけではない。福岡のように人口が多い都市では医療機関の数も多く、そこから選ばなければならない。
一般的には自分のかかりつけ医を選ぼうとするだろうが、名簿に登録されているのが「〇〇会△△医院」と医療法人名が付いていることがある。
私もかかりつけの医院が近くだからと、このところ通っている整形外科で接種しようと考えたが医院名が見当たらなかった。「△△クリニック」ではなく、医療法人名が付いた「〇〇会△△クリニック」になっていたから見つからなかった。
このようにネットのほうが予約が取りやすいといっても、やはりある程度ネットに詳しく、また操作に慣れていない人にはネット予約はハードルが高いかもしれない。
(2)に続く
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