栗野的視点(No.769) 2022年6月25日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
旅行支援と高速料金休日割引なしの矛盾
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
COVID-19の流行から2年間、政府の対応は右往左往し、情報発信も対応も一貫性がないというか柔軟性を欠き、矛盾だらけ。しかも諸物価が値上がりし生活は厳しさを増しているというのに相変わらず硬直した矛盾だらけの対応を続けている。
県民割りとワクチン接種済み証明書
GW以降よく旅行に行っている。県民割りなどで宿泊料金が安くなっていることもあるが、県民割りだから旅行に出かけたわけではなかった。まあ、言うならコロナ禍で自由に出かけられなかったので、パートナーへの1か月遅れの誕生日プレゼントと友人達と語らうための1泊温泉旅行。
玉名温泉の1週間後には男同士4人で原鶴温泉に1泊旅行した。旅行と言えるかどうか分からないが、とにかく温泉地で1泊し、久し振りの会話を楽しんだのは事実だ。
元はと言えば福岡市内で年に数回、食事会を開いていたが「たまには温泉地で1泊して話しませんか」と提案していたことがきっかけ。
5,000円〜7,000円で2食付き、さらに90分飲み放題で宿泊できれば市内で食事会をするよりずっとお得。
このホテル、県民割りが適用される前にも同じ料金で泊まっていた。その時は部屋数限定で平日5,000円、週末7,000円だったが、今回は県民割りで部屋数限定なし、1人2,000円のクーポン付きになっていた。
この1週間後には嬉野温泉で1泊した。嬉野温泉は彼女の希望。なんでも温泉の泉質がよく、入浴後肌がスベスベになるとか。だから「うれし〜の」。
私の場合は目当ては温泉ではなく撮影で、この時は武雄市・大聖寺のアジサイ撮影が目的。だから宿泊施設や食事の豪華さは選択肢に入らない。もう量を求める歳ではないから食べ放題のビュッフェー方式より、おいしいものを色々盛り付けてくれる会席風な方が胃にも身体にもいい。
ただこの時泊った旅館は若い世代には量的に少し物足りなかったかもしれないが、2食付きで1万円以下。おまけに2,000円クーポン付きだから文句はない。
とはいえ最近の旅行では必ずワクチン接種済証明書の提示を求められる。特に県民割りを利用した宿泊ではワクチン接種3回済み証明の提示が絶対条件。嬉野温泉で2回までの接種済みを提示すると「3回目のを見せて下さい」としつこく要求された。
もちろんワクチン接種は3回目まで終えているが、本当に3回目まで要求されるのかどうか試してみたのだが、やはり3回目接種が条件になっているようだ。温泉地によっては身分証明書、それも写真付きのものの提示を求められたところもあると聞いた。少々やり過ぎではないかと思ったが。
6月に入り、どこの宿泊施設でも「お陰様で週末は満室です」と顔をほころばせていた。県民割りは6月末までだが、7月上旬からは県民割りの全国拡大になるらしい。旅行需要が戻りつつあるということだ。
高速道路の休日割引なし
ところが高速道路の休日割引は一部廃止のままで、個人的にはこの2年間今まであった高速道路の休日割引を一度も受けていない。
旅行需要を喚起しながら高速道路の割り引きを廃止したままというのは大いなる矛盾だろう。ガソリン価格は高騰しているし、その上高速道路の休日割り引きまでなくされたら車で旅行する人間にとっては大打撃だ。それとも公共交通機関を利用しろというのか。
しかし、温泉地は駅の近くにないし、鉄道やバスのローカル線運行本数は少ない。勢い車を利用せざるを得ない。ガソリン税を下げろ! 高速料金を下げろ!
と声を大にして叫びたい。
休日割り引き廃止の理由は平日と休日の利用を均等化するためとかなんとか理屈をつけているが、実は体のいい値上げにほかならない。均等化するのが目的なら休日料金をあげるなら、その一方で平日利用を下げるべきだ。
そうではなく「COVID-19」を口実に2年前から休日割り引きは廃止したまま。しかも、今後、GWもシルバーウィークも、正月3が日も一切割り引きはなし。
コロナ禍が収まり旅行需要を喚起しようとしているなら、いままで2年間割り引き廃止にしていたお詫びに「平日割り引きを導入します」となぜ言えないのか。
旅行関連業界支援を言いながら高速道路料金は実質値上げしたままというのは矛盾している。
ガソリン代が高騰しているのだからせめて高速料金は値下げしろ! と言いたいが、このことを指摘する声を聞かないのも不思議だ。
|