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それでもgmailやThunderbirdを使い続けますか。


メールの中身を見られているGmail

皆さんはメールソフトはなにを使っているだろうか。恐らくほとんどの人がアウトルックなどの無料で使えるメールソフトではないだろうか。
 私の場合、パソコンソフトはほとんどフリーウェアかシェアウェアで、市販ソフトは「一太郎」と「筆まめ」「ホームページビルダー」ぐらいだ。マイクロソフトの「Office」も入れてない。代わりに「Open Office」「Libre Office」などのフリーウェアを使っている。原稿書きにはシェアウェアの「秀丸(ひでまる)」だ。
 因みにフリーウェアは無料で使えるソフト(著作権フリーではない)で、シェアウェアはオンラインでダウンロードし、試用することができる。気に入って継続使用する場合はユーザー登録して対価を払う。市販ソフトの場合、バージョンアップ版を使用する時は新たに買い増さなければならないが、シェアウェアは最初に料金を支払えば、以後のバージョンアップ版も追加料金なしで利用できるものが大半である。

 このようにフリー・シェアウェアソフトを中心に構成している私のパソコンだが、メールソフトは無料版ではなく市販ソフトを使っている。過去にはアウトルックその他のフリーウェアも使ったことがあるが、ウィルス感染の危険性と外国製ソフトの使いにくさ(特にアドレス帳)から諦め、ジャストシステムの「Shuriken(手裏剣)」をバージョンアップしながら使っている。
 その一方でウェブメールのGmailも使っているが、これは受信専用。メーンアカウントその他で受診したメールをGmailに転送する設定にしていた。
 しかし、「栗野的視点(No.450):危険な隣人は微笑みを浮かべながら近づいてくる。」で指摘したように、GoogleはGmailやGoogle検索から膨大なデータを収集し、米政府の求めに応じ提供していることが分かったので、Gmailへの転送を取り止めた。

 他人にメールの中身を覗かれているのは決して気持ちのいいものではないだろう。ある時、突然見知らぬ人間が現れて「あなたは昨日、インターネットで○○を買いましたね」とか「某月某日の何時に誰々と会いましたね」と言われたくはないし、言われないまでも、自分の行動がデータとして記録されたくはない。
 日本人はセキュリティやプライバシーに関して無頓着、無防備過ぎるが、Googleが米政府(NSA=米国家安全保障局)の求めに応じて情報を提供しているのはよく知られている。そしてそれは日本だけ例外ではないのだ。それでも「便利だから使い続ける」という人を止めはしないが、私はGoogle検索も使わないか、やむを得ない場合だけの利用にしている。

パスワードが丸見えのThunderbird

 無料のメールソフトでアウトルックと同じぐらい有名なものにThunderbird(サンダーバード)がある。ウェブ閲覧ソフトのFirefoxとセットで使っている人も多いだろう。
 ところが、驚いたことにこのメールソフトは登録アカウントのパスワードが丸見えになっているのだ。
 メールソフトを使用する場合、最初にプロバイダーから提供されたアカウント設定(サーバー設定)をする必要がある。
 具体的に言うと、メールアドレスだとか送受信サーバー名などの情報を入力しなければ利用できない。もちろんパスワードも、だ。
 一般的にはパスワードは伏せ字になり、本人でさえ見られないのが普通だ。それはそうだろう。パスワードが簡単に見られるようではパスワードの意味がない。玄関に鍵をかけて出かけたが、鍵は誰でも簡単に見つけられるとしたらどうだろう。それは鍵をかけないのと同じことだ。

 いや、そんなバカな、と思われるかもしれない。では以下、具体的に説明しよう。
 まず手元のThunderbirdを起ち上げてもらいたい。すると上の段に「メニューバー」が見える。左から「ファイル」「編集」と続き、右の方に「ツール」と書かれた項目がある。
 そこにカーソルを持って行き、左クリックすると、縦に項目がズラリと出てくる。
その一番下に「オプション」という項目があるので、そこを左クリック。
 今度は「一般」「表示」「編集」「チャット」「セキュリティ」という項目が表れるから、「セキュリティ」を左クリック。
 次にまた様々な項目が表れるが、その中の「パスワード」という項目をクリック。
すると「保存されているパスワード」と「マスターパスワードを変更」の2つが右に見える。
 ここで「保存されているパスワード」をクリックすると、利用しているサーバーのユーザー名が表示され、下段に「パスワードを表示する」という項目があるので、そこをクリック。

 ここまでの操作をまとめると次のようになる。
 Thunderbird→「ツール」→「オプション」→「セキュリティ」→「パスワード」→「保存されているパスワード」→「パスワードを表示する」

 表れた画面を見て驚くだろう。ユーザー名だけでなくパスワードまですべて表示されているのだから。これで驚かない人はよほどおめでたい人だろう。
 以下の人は特に注意しなければならない。
1.パソコンをほかの誰かと共有している人
2.職場等で個人用ノートパソコンを利用している人
3.タブレットやポータブルパソコンを常に持ち歩いている人

 パソコン等を紛失したり、盗難に遭えば、それを手にした誰かは簡単にユーザー名とパスワードを知ることができる。そして本人になりすましてメールの送受信その他ができるということだ。
 職場に個人用パソコンを持ち込んでいる人は、ちょっと席を外したわずかな時間に誰かによってパスワードを見られるということもありうる。

 ほかの人間にパスワードを見られないようにするためには次の設定をする必要がある。
 上記操作の最後の画面の下部に「マスターパスワードを変更」という項目があるので、そこをクリックしてマスターパスワードを設定することだ。ただし、マスターパスワードは上記パスワードとは別の文字列にすること。
 これで安全だ。ただし、Thunderbirdを起ち上げる度にマスターパスワードの入力を求められるから煩わしい。
 またマスターパスワードの内容を忘れると、二度とThunderbirdは開けなくなるので要注意。

 さて私はというと、Thunderbirdに浮気するのをやめて、Shurikenを使い続けている。やはり浮気にはリスクが付きまとう。とてもじゃないが危険な相手とは付き合えない。
 ところで私がShurikenを気に入っている理由はウイルス感染の危険性が低いことの他に、アドレス帳の内容が非常に充実していて、住所録代わりに使える点にある。
 いずれにしろネット社会は便利だが、常に危険と隣り合わせということを充分認識して付き合う必要があるだろう。

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