前回、パソコンのことを書いたら以下のようなメールが届いた。
> 近頃、ノートパソコンで手のひらを低温やけどした人に会いました。 > 5年経った現在でも違和感が時々手のひらを襲い集中力を無くすことが有る > とのことでした。
そうなのだ。ノートパソコンはやけどの危険性があるから要注意である。 ノートパソコンはデスクトップと異なり、A4程度の大きさの中にすべての機能を収 納させなければならない。その場合に一番問題になるのがCPUの設置場所である。 キーボードの下に載せれば問題はないのだが、キーボードの下はどうしても厚さが薄くなるし、上からの衝撃がくるので、そこにCPUを配置するのは避けたい。 それで選ばれたのがハンドレストの下というわけだ。ここなら高さも充分取れる。 では、いつ頃からパソコンが熱を持ちだしたのかといえばPentium2の頃からだろう。 以前私が使っていたPentiumu2搭載マシーンはハンドレストの部分が熱で変色した程である。 それでもその頃はデスクトップ中心で、ノートを使用する割合は1/4ー1/5だったので、それほど困った記憶はない。 だが、現在のノート(Pentium3 700)に替えてからノートの割合が1/3、あるいは60 %程度と逆転していた時期もあったので、熱くなると時々掌を水で冷やしていた程である。
低温やけどは非常に危険だ。 高温の場合は「アツー」と一瞬で離すからむしろ被害は少ないが、低温の場合は多少熱を持っているなぐらいの感覚で、そのまま接し続けるから気が付いた時には細胞組織が奥まで破壊されている。 むしろ危険性は高温やけどより低温やけどの方が高いのだ。 私は10代の頃にアンカで足に低温やけどをしたことがある。その時は大きな水疱が出来たが、本人にも周囲にもやけどという意識がないからきちんとした手当をしない。 そのため治りも悪いし、治っても後々までやけどの跡が醜く残る。
パソコンの場合は掌の組織がやられるから、冒頭の人のようにもなる。
では、低温やけどを防ぐ手だてはあるのか。 一番いいのは長時間ノートパソコンの上に掌を置かないことだ。 私の場合はノートパソコンの下に放熱シートを敷き、熱を貯めないようにすると同時に、ハンドレストの部分にゲルでできたパッドを置き、その上に掌を載せ、直接パソコンの筐体に皮膚が触れないようにしている。 それでもゲルを通して熱が伝わってくるから、90分以上はノートパソコンを使わないようにしている。 放熱シートは低温やけど対策というより高熱によるCPUの暴走防止目的で売られているもので、低温やけどの防止という意味ではあまり役に立たない。 対策3はCPUに負荷をかけるような仕事を長時間しないことだ。 例えばCD−ROMをブンブン回すとかいろんなソフトを一度に開いて使用するとか。 どれもこれもあまり有効な手だてはいえない。 最も有効な手だては時々水で掌を冷やすことかもしれない。
いまやパソコンで最大の問題は熱対策になりつつある。 特にPentium4になってからは熱対策はCPUの暴走を防ぐために非常に重要になっている。もはや空冷ファンではCPUのオーバーヒートを防ぐことが出来ず、車並みに水冷ラジエーターが売られ出した。 それでもまだデスクトップは内部に空間があるから、風の通り道さえきちんと作ればいいが、ノートの場合は空間がない上に通風ができないので、どうしても熱が内部に籠もり、その分高熱になる。 となるとノートには高速CPU、高機能、多機能求めない方がいいのかしれない。で も省スペースからオフィスでもノートが中心になりつつあるから、今後、ノートパソ コンによる低温やけどは社会問題になるかもしれない。 パソコンメーカーも低温やけどの危険性を謳ってないから、製造者責任を問われることになるのではないか。 ともあれ皆さん、パソコンに限らず火遊び、おっと違った「やけど」には努々(ゆ めゆめ)ご注意を! |