初当選から1か月足らずというのに新福岡市長・吉田氏の発言が日に日に後退している。
吉田新市長の発言を時系列で見てみると。
11月20日(当選翌日)
「やりたいことが次々に浮かんできている。約束したことを実行したい」とマスコミのインタビューに答えた。
12月7日(初登庁して就任会見)
博多湾の人工島事業:検討委員会を作って、人工島のビジネスや医療・福祉ゾーンの見直しを明言。アジアの企業を集積する計画は中止。
福岡空港の移転問題:空港移転の必要がないという考えに変わりない。
12月15日(議会開会)
午前中:博多湾の人工島事業は市民の財産となるよう、活用法を大胆に見直す。(選挙公約でもある)
午後(議会の質疑に対し):港湾施設や住宅地は「着実に整備する」「人口増のため良好な宅地形成が必要」「現在の計画を基本に進める」と答弁。
あまりにも早い後退ぶりだ。もしかすると山崎前市長以上に変節が早いかもしれない。
たしかに議会で吉田新市長を支持する民主党は圧倒的少数で、難しい議会対策を強いられるということはよく分かる。
それにしても確固たる信念がなさ過ぎないか。
吉田氏の前職は地元紙の経済部部長だ。
そのことがマイナスに働いているのかもしれない。
というのは、経済部部長時代に山崎前市長の1期目を見ている。
当時の山崎氏がやはり少数与党で議会対策に悩まされ後退を続けた。
山崎氏の議会対策のまずさなどを当時、記事でも書いたはずだ。
だから同じミスは犯したくない。
そう思っているのだろう。
しかし、議会対策という小手先に頼っていると、市民の信頼を失い、短命に終わらざるを得ない。
むしろ見習うなら田中前長野県知事の1期目のやり方だろう。
当選直後に街でばったり会った時、吉田氏が「議会対策をうまくやらないと」と口にした時、少し奇異な感じを受けた。
いくらそのことで頭がいっぱいとはいえ、11月29日、当選して10日目の夜に、初対面の男に立ち話で口にする言葉ではないだろうと思ったからだ。
ちょっと先が思いやられるかも・・・。
その時そう感じた私の懸念が的中しなければいいが。
(06.12.17)
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