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2011年、今年の反省


 今年は国内外共に大きな変化があった年です。
しかし、私が期待した変化は起きず、その芽は潰れかかっているような気がします。
残念ですが。

 さて、個人的には反省多き1年でしたが、中でも最も反省したのは帰省中に引き起こした出来事です。
反省と書きましたが、懺悔という言葉の方がピッタリくるかも分かりません。

 兵庫県佐用町のマックスバリュで買い物をしている時のことです。
冷蔵ケースの前で商品を見ている私の前を女性従業員が通ったのです。
最近、どこの店でも人の後ろではなく、わざわざ前を平気で横切る人が増えています。
とても失礼な行動だと思いますが、この場合は店の従業員だから余計です。
「失礼します」の一言もありません。
全く私の姿など目に入らない風で、前を横切ってショーケースの商品を点検する態度にさすがにムッとしました。

 実はこの女性従業員は以前にも同じ行動をしたことがありました。
一体、イオンはどういう教育をしているんだ、とまたまたお節介焼きが首をもたげ、その従業員に注意しました。
「従業員が客の前を通るというのは失礼だろう」と。
 ところが、彼女は私の話を聞いても、きょとんしたままです。
20歳前後の新入社員ではありません。常識をわきまえているはずの中年女性でしたが「申し訳ありません」の一言もありません。

 二度も同じミス、年齢、そういうことを考えると、ここは厳しく注意しなければ、と「店長を呼びなさい」と言いました。
「店長は今日休みなんです。副店長ならいます」
 まるで他人事の返事です。
これはいよいよダメだわ、と呆れながら、出てきた副店長に注意しました。
「客の前を平気で従業員が通るなんて、イオンは一体どういう教育をしているんだ。
しかも、この子は前にも同じことをした」

 私が注意しているのに
「君はいいから向こうに行っていなさい」
 副店長は私に謝りながら、その女性をその場から去らせようとするのです。
 おい、おい、それはおかしいだろう。それでは客の苦情をただ聴くだけで、意味ないではないか。これだから売り場がおかしくなるのだ。
 そう思うと余計腹立たしくなってきました。

「あの・・・、あの子は・・・」
 なんだ、人の話をまともに聞こうとせず、あの子がどうした。上がそんなだから下もおかしいのだ。個々の問題というよりは、これはシステムの問題だな。
そんなことを一方で思いながら注意の言葉を続けていましたが、副店長の言葉にちょっと引っかかるものがあったので、言葉を切りました。
「ん・・・。もしかして・・、知的障害?」
「はい、申し訳ありません。あの子には分からないものですから」
「いや、悪かった。そうと知っていれば。申し訳ない。こちらが悪かった。あの子を叱らないようにして欲しい。悪かった」
 今度はこちらが謝る番です。

 彼女は決められたことを決まったやり方でしかできないのです。例え客が商品を手に取ろうとしていようと、その前を横切らずに迂回するとか、「失礼します」と声をかけて作業をすることはできないのです。途中でいつもと違うことをすれば、分からなくなるから。
 「私もこの店に移動してきた時は彼女のことを知らなかったのです。事情をご存知ないお客様からも時々苦情を言われます。その度に今回のように事情をご説明し、ご理解を頂くようにしています」

 この時ほど、自分の行動が悔やまれたことはありませんでした。
いくら彼女が事情をよく理解できないといっても、私に怒られたという感じだけは残ったと思います。なんともいえないやり切れなさ、情けなさが残りました。

 いつまでたっても人間ができない自分自身の情けなさです。
私自身の今年一番の反省でした。

 除夜の鐘を聞きながら108の煩悩を少しでも減らしていきたいと思います。



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