今回は車関係の記事を書いたりと、車に詳しい堀辰也さんからエアバッグ等に関するコメントが届きました。
さすがに詳しい。しかも専門的。
このコメントを読むとベンツはSクラス、BMWは5シリーズ以上の高級車でなければ安全性は確保されないのかと、私にはおよそ縁がないと改めて知らされました。
まあ、もともと「車は走ればいい」と言っていた人間ですから高級車とはおよそ無縁。それが帰省で片道500km走るようになり道中の疲れと安全性を考えて購入したのがBMWの中古。お陰で少しばかりの親孝行はできましたが。
最近、高速道路を走っていて感じるのは運転ルールを知らないドライバーの多さです。追い越し車線を一般道と同じ感覚でちんたら走るドライバーは多いし、怖いのがトラック。後方確認せず急に車線変更するから危なくて仕方ない。免許の更新講習は基本ルールの確認を中心に行って欲しいと思う程です。
さて、以下に堀さんから届いたコメントを紹介します。
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栗野さん、ご無沙汰しております。ほり編集事務所の堀です。
「視点」、いつも楽しく拝見しております。『クルマの話題だから食いついてきたか!』…と思われるでしょうが、はい、食いついてきました(笑)。
栗野さんが書かれていたように、生命を守るエアバッグもメリットばかりではなく、タカタの大規模リコールの例からも判るとおり、打撲や骨折、火傷など色々なリスクがあります。私も以前、信号無視で突っ込んできた車両とモロに衝突し、自車のエアバッグが開いた経験がありますが、幸い、打撲等はなかったものの、エアバッグを開かせるための火薬の爆発煙を思い切り吸い込んで、事故後丸一日、呼吸が苦しかったことがあります。
そのため、メルセデスのSクラスやBMWの5シリーズ以上、国産ならばレクサスLSなど高級車に分類される車両(=ボディのクラッシャブル性能も一般車よりハイレベルなモデル)は、“ボディが衝撃を吸収する分、できるだけエアバッグを開かせない”方向でプログラムされる傾向があるようです。特にメルセデスは、よほどボディ剛性と衝撃吸収性能に自信があるらしく、50〜60km程度で前面衝突しても、ステアリングコラム部のセンサーと、シートベルトの張力センサーの両方が、同時にかなりの衝撃を感知しないと作動しないようになっています。
栗野さん宅の近所で発生した事故の場合、事故後に「事故を目撃された方は連絡下さい」という看板が出たということは、人身事故扱いになったのでしょうね。
そのレベルの衝突でエアバッグが開かなかったということは、メルセデスのオーナーがシートベルトを緩くしていたため、シートベルト側のセンサーが働かなかった可能性もあります。
シートベルトにキツく巻き上げられる感覚がイヤで、走行時は洗濯ばさみのような社外パーツでシートベルトを緩く装着しているユーザーが相当数います(特に、シートベルトの巻き上げが国産車より強い輸入車ユーザー)。
また、シートベルトバックルに差し込み、シートベルト未装着の警告音を出さないようにするダミーの金具も、カー用品店などでごくごく普通に販売されています(一応、『妊婦さんなどシートベルト装着が困難な場合のみご使用下さい』とは書かれていますが)。
そうしたパーツでシートベルトを正しく装着していない場合は、エアバッグが開かないケースも多いです。
いずれにせよ、エアバッグが開くような事態に遭遇しないよう注意することが一番なのですが、そうも言ってられない交通状況。せめて、万が一の場合だけはエアバッグが正しく作動するよう、エアバッグの作動条件についても、免許更新の際にレクチャーするなどの取り組みが必要ですよね。
ほり編集事務所
堀 辰也
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