栗野的視点(No.682) 2020年4月27日
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「COVID-19」政府専門家会議の提言に感ずるいくつかの疑問
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新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)が猛威を振るい、どんどん広がっている−−。いや、猛威を振るい、広がっているのは人間界の対応の方だが。
このところの報道に接していると、いくつもの疑問が湧いてくる。以下、それらの疑問を列挙してみたい。
1.「政府専門家会議」の提言に対する疑問
4月22日、同会議が「人との接触を8割削減」するための「10のポイント」をまとめた。
一応、以下に列挙してみると
イ)ビデオ通話でオンライン帰省
ロ)スーパーは1人または少人数ですいている時間に
ハ)ジョギングは少人数で、公園はすいた時間、場所を選ぶ
ニ)待てる買い物は通販で
ホ)飲み会はオンラインで
ヘ)診療は遠隔診療
ト)筋トレやヨガは自宅で動画を活用
チ)飲食は持ち帰り、宅配も
リ)仕事は在宅勤務ヌ)会話はマスクをつけて
これを見て思わず、言葉は悪いが、バカかと思った。仮にも「専門家」達の「提言」がこれ? まさか小学生相手に「10個にまとめたから守ってね」と言っているわけではないと思うが(でなければ人をバカにしている)、時間を割いて集まって、議論して、この程度のことしか言えないのなら会議などする必要はない。それこそ「オンライン」で済む話だ。
「飲み会はオンラインで」って、そんなことを「提言」でわざわざ言うべきことか。
ところで「オンライン飲み会」ってどういう飲み会? 互いに自宅か自分の部屋で飲みながらオンラインで繋げ、「ま、ま、君も一杯」とか「カンパーイ」などとやるのだろうか。
こんなこと真面目に考えているわけ? そんなわけはないと思うが、専門家メンバーの中で「オンライン飲み会」なるものをやってみた人がいるのかどうか、それで互いに会話が盛り上がったがどうか聞いてみたいものだ。
もしかすると私が時代遅れで、今の若い人達の間では「オンライン飲み会」なるものが流行っているのだろうか。少なくとも私はごめん被りたいが。
大体「オンライン」が多すぎる。全国民がとまでは言わないが大半の国民がオンラインを使える環境にあると思っているのだろうか。そうそう恵まれた環境にいる人達ばかりではないということに頭が廻らないのだろうか。
たしかに1つ1つは正しいかもしれない。しかしマクロの視点で見れば「合成の誤謬」ではないか。
いずれにしろ「10のポイント」などはわざわざ「専門家会議」が言うことなのか。「専門家」なのだから、もう少し気の利いたことを言って欲しいものだ。
2.「3密」会議の「専門家会議」への疑問
「3密」を避けろ、人との接触を8割削減しろ、と言っている専門家会議の様子をTVで見ていると、参加者達の席は2m開いているどころか1mも開いているかどうかの「密接」状態。
会議をしている部屋にはメンバー以外に記録係等の官僚達も机と椅子を並べていて室内は「密集」状態。窓だって開いている風には見えなかったから換気もいいとは言えないだろう。
これって「3密」ではないのだろうか。言っていることと、やっていることが違う気がするけど、なぜ。
3.スーパー入場制限に対する疑問
国民が皆不安に駆られ、COVID-19に怯えながら生活している中、やたら張り切っているのがパンダ顔の知事と関西の若い知事だ。
走り出した機関車は止まらないどころか加速していく、というのはよく言われることだ。とにかく人も経済も一度動き出すとそちらにどんどん進んでいく。
比較的新しいところではバブル経済時期。「いつかバブルが弾ける」と言われながら、誰も(どこの企業も)立ち止まったり引き返すことをせず、ひたすら突き進んで行った。そのうちだれかババを引く奴が出るだろうと思いながらも、自分は違うと信じて(念じて)膨張を続けて行った。
同じことが今回も言える。規制は一度始めるとどんどん加速していく。人々が怯えるから規制する。規制するからますます人々は怯えるの繰り返しで、やがて市民生活はがんじがらめになる。
スーパーに人が増えたのは、そもそも「3密」を避けて自宅に籠もれと言われたからで、学校は休校になり、職場は在宅勤務(可能な人は)や時短営業になれば3食とも内食にならざるを得ず、結果、食材の買い物が増える。
「人との接触を避けろ」と言われるから、買い物頻度を減らす。勢い一度に買う量が増える。
荷物が多くなれば1人で持てなくなるから、荷物持ちに子供や家族が一緒に行くのは当然。するとスーパーが混雑し、感染リスクが高まるから入店規制をすると言い出す。
一体どうすればいいのだ、と怒る人はあまりいない。この国の民は皆従順でいい人ばかりだ。
入店規制をするよりスーパーの営業時間を延ばす要請をした方が効果的だと思うが。当然、営業時間を長くしてもらった分の補助はする必要がある。
(2)に続く
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