ブレーキとアクセルの踏み間違いについて再度考える(1)
〜オルガン式ペダルを全車に採用したマツダ


 最近、マツダ車に注目している。注目している理由はデザインがあか抜けたことが1つと、ペダルを替えてアクセルとブレーキの踏み間違いを減らす安全面に配慮した点である。
 以前のマツダ車はお世辞にも格好いいとも乗りたいとも思わなかったが、デザインを一新、ほぼ全モデル統一デザインにしてからカッコよくて、乗ってみたい車になった。結果は販売面にも表れているようで随分売りやすくなり、また売れているらしい。

 カーデザインはひと言で言えば精悍な印象。個人的にはノーズの長さに比べ後ろが短くちょっとアンバランスな感じ(アテンザ、アクセラセダンを除く)を受けるが、それはノーズ先端部分の高さに起因しているのかしれない。
 だが、考えようによっては先端部分が流線型より垂直に切り立ったように高い方が追突時にドライバーは守られるかもしれない。
 急ブレーキを踏めば車は前が沈み込むような形になり止まるから、前車の背後に追突した場合は前車の下に潜り込む可能性がある。ボンネットが運転席から先へ行くに従って低くなっていると、追突時に前車の後部に潜り込み、最悪の場合、運転席まで前車の後部が迫ってくる可能性がある。しかし、ノーズ先端部が高ければ、そこがセーフティガードの役目を果たし、ドライバーの生死を分けるかもしれない。

オルガン式ペダル採用のマツダ
国産車で全車採用は国内初

 マツダ車で感心したのは国産車の大半が採用している吊り下げ式ペダルではなくオルガン式ペダルを全車に採用したことだ。
 吊り下げ式、オルガン式と聞いても何のことかピンと来ない人も多いと思うが、アクセルペダルには2方式(電子制御スロットルも入れれば3方式)あり、国産車が採用しているのは吊り下げ方式で、ベンツ、BMWは一部車種を除きオルガン式を採用している。
 毎日、車に乗っていても足元のペダルの形式にまで注意を払う人はそう多くないと思うが、この機会に一度、足元のスペースとアクセルペダルの形に注意を払ってみるのもいいだろう。案外色んなことに気付くものだ。

 吊り下げ式、オルガン式の違いについて簡単に述べると、ペダルが上からぶら下がっているのが吊り下げ式で、フロアから生えているように突き出ているのがオルガン式ペダルである。
 それぞれにメリット、デメリットがあるが吊り下げ式のメリットはコスト安ということ。逆に言えばオルガン式はコスト高になり、その辺りが国産車で採用されない理由でもあるだろう。

 オルガン式のメリットは踏みやすいという点。名前の由来は足踏みオルガンのペダルから来ている。足裏全体がペダルに接触しているから足裏とペダルは一体化しており、足を踏み込むと足裏とペダルは同じ軌跡を描くから操作がしやすく、また疲れにくい。
 対して吊り下げ式の場合はペダルに接触しているのはつま先部分だけであり、つま先の上げ下ろしでアクセル調整(スピード調整)をしている。そしてつま先とアクセルペダルの軌跡は別の形、ちょうど噛み合わされた2つのギヤが動くような軌跡を描く。そのためちょっとした弾みや踏み方でつま先がペダルから外れることもある。

 支点が床部分にあるオルガン式に比べて吊り下げ式は上にあるため、ペダルを踏み込んだ時ペダルがフロアマットに引っかかる危険性がある。実際、それが原因で車が暴走した事故が報告されてもいる。トヨタ車の暴走事故がアメリカで裁判になったのはまだ記憶に新しいだろう。純正マットの上に市販マットを敷いたり、マットの敷き方が悪いと、こういうことが起きる可能性も指摘されているから注意する必要がある。

 一方、オルガン式の場合は純正マットしか対応してなく、市販の汎用マットがないから、マットが割高なのがデメリットと言えば言える。

左ハンドルの方が自然な姿勢
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ソースネクスト