栗野的視点(No.787) 2022年12月29日
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高齢者の交通事故報道について
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ いつも配信していただきありがとうございます。「栗野的視点No784,785」を拝読し、思うところがありましたのでメールさせていただきます。かなり長文ですがご容赦ください。
記事に関して「全くその通り、よくぞ言ってくれた」が率直な感想です。そのように感じるのは私だけではないのですね。最近いろいろと疑問が湧いていますので下記に列挙します。
疑問点1 なぜ高齢者の事故を鬼の首を取ったように報道するのか
私は2018年3月にリタイアし、来年古希を迎えます。自分が古希を迎えるとは、
全く実感がありません。しかし、高齢者の域に入ってくると今まで見えなかったものが見えてくる
ようになりました。高齢者の事故報道に関しては、今までは「そうか」が「どうして高齢者の事故だけヒステリック(女性蔑視ではありません)に報道するの」と感じるようになりました。
高齢者(定義は難しいのですが)が世代全体の中で特別事故率が高いとは思えません。
プリウスミサイル以降、国民を煽って気を引こうとでも考えているのでしょうか。視聴率は大切でしょうから。でも、煽り行為は犯罪と思うのですが。
疑問点2 なぜ行政は高齢者講習など、人権侵害とも思える行為を平気で行うのか
最近の報道を見ると「高齢者は免許返納だ!」「高齢者講習を実施する!」「高齢者は車に乗るな!」の大合唱が聞こえてきます。一連の高齢者講習など基本的人権の侵害そのものと感じるのは私だけでしょうか。嫌がらせ、虐待とも受け取れます。
高齢者が関わる大きな事故が発生し、メディアが大々的に報道するため、選挙時の票数確保のため「とりあえずこの程度やっておけば国民も納得するだろう」程度のことではないでしょうか。真の解決を模索しているとは思えません。あまりにも安直です。原生動物程度の知能で考えた結果と見えます。
そもそも、自動車学校で認知症判断をすること自体(最終判断は医師ですが)かなり違和感を持ちます。認知症判断は医師、運転技能は免許試験場で行うのが正しい姿と思います。
試験場が業務過多と反論するなら、私からは職務怠慢、義務放棄とお返しします。
もっと言えば、運転免許の有効期間があること自体がおかしい、一生有効が真の姿と思います。
道路交通法が変更されたときのみにオンライン(eラーニング)または対面で周知することで問題ないと思います。視力や運動機能に関しては基本的に自己責任、一歩譲ってかかりつけ医の判断でよいのでは。
写真に関してはマイナンバーカードを普及させようとしていますのでそれで十分では。
現在の免許更新などの仕組みは高コストです。どうも行政は高コスト(お金を使うこと)が好きなようです。
言い過ぎですが退職警察官の再雇用先確保のためではないかと勘繰ってしまいます。
疑問点3 なぜ国は公共交通機関の再構築を真剣に考えないのか
日本は都市部に人口が集中し、残念なことに国の投資はそこに重点をおいて行われます。
地方から見れば全く理不尽なことです。特に交通機関の現状は惨憺たるもので、都市部と地方はこれが同じ日本国かと思えます。この状況下、地方にとって乗用車は重要で
高齢者によっては生命線となっているところもあります。
限られた収入の中で利用できる交通手段は限られます。国は国民の生命を守り切れているのでしょうか。
私にはそうとは思えません。
疑問点4 高度に制御されている最近の自動車の事故を行政は検証できると本気で考えているのか
プリウスミサイルが生まれた高齢者の事故ですが、行政やその取り巻きの実力を考えるとほんとに運転者の操作ミスが原因なのかと勘繰ってしまいます。鑑定は基本的に自動車メーカが行い、第三者が介入したとしても怪しい、俗にいう「学識経験者」ですから。
高度に電子制御された自動車を正確に鑑定できるとは思えません。自動車制御のプログラミング行数は膨大でかつ複雑です。私の家内がプリウスに乗っており、私も運転することがありますが、路面が悪い状況下では、ときたまブレーキに強い違和感を持つことがあります。
アンチスキッド動作時とは明らかに異なる挙動です。フライバイワイヤに起因していると思っています。
疑問点5 国は自動車の完全自動運転化を実現できると本気で思っているのか
個人的には、科学技術は生活弱者のために積極的に使われるべきであると考えます。自動運転技術が確立したらどれほど素晴らしいでしょう。多くの問題が解決されます、しかし、安全安心を身上とする行政が介入するとどうなるか。多分、自動運転車は制限速度以上では走ることはなく、日本国中渋滞の嵐で高速道路など60Km/hで走れればいいほうでしょう。
なぜなら、交通の流れに乗らないと必ず渋滞が発生します。高速道路のトンネル前に渋滞が発生いしやすいことがそれを物語っています。どこまでリスクを許容するか、国民から非難されることのみを嫌う、理念が欠如した行政機関にはその覚悟がないでしょう。
制御技術を含むハードウエアから見ても運用面から見ても実現は困難と思います。
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