栗野的視点(No.739) 2021年6月16日
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日南で「観光宮崎」を創った2人の男に思いを馳せる。
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先頃、日南市南郷(なんごう)に行ってきた。目的はジャカランダの花で、九州でも日南と島原でしか見られないが、群生しているのは全国でも日南市南郷だけだ。(花の写真はブログ「栗野的風景」にアップ)
日南市南郷と聞いてもどの辺りかイメージできない人も多いと思うが、鵜戸神宮がある辺りと聞けば大凡の検討はつくだろうか。宮崎市から車で1時間近く南に下った辺りだ。
さすがに日帰りはキツイので1泊旅行となったが、宿泊地は北郷のリゾートホテル。かつては北郷フェニックスホテルという名前で、ゴルフ場を併設している。
宮崎の歴史に詳しい人なら、「フェニックス」というホテル名を聞いただけで、このホテルがフェニックス国際観光グループによるものと察しが付くに違いない。
東・南・北郷があるのに西郷がない
宮崎を観光都市に創り上げたのは宮崎交通の創業者・岩切章太郎氏であり、章太郎氏に説かれて故郷に帰りホテル、ゴルフ場を開発するなどし、章太郎氏の志を引き継いでいったのが、フェニックス国際観光ホテルの創業者・佐藤棟良氏である。北郷はたしか佐藤棟良氏の出身地ではなかったか思う。
因みに「北郷」の読みは「ほくごう」ではなく「きたごう」。南郷の読みが「なんごう」だから、北郷は「ほくごう」だろうと思っていたが「きたごう」と知った。
北と南があれば東と西もあっていいはず。そこで地図を開いたり、ネットで調べてみると東郷の地名はあった。
だが、いくら探しても西郷が見当たらない。ただ古い地名に「西郷」の文字があったから昔は西郷村か「○○村西郷」という地名があったに違いない。
そこでふと思い当たった。日南市で探すから「西郷」がないだけで、昔の「西郷」は今、鹿児島県になっているのではないかと。
名字は地名から来ているというのはNHKの「日本人のお名前」という番組でよく放送しているし、鹿児島で西郷といえば有名人がいる。そう考えれば「西郷」の地名は今の鹿児島県に組み込まれていてもおかしくない。西郷隆盛は島津藩の下級武士だから出身地は辺境だと考えられるし、少なくとも隆盛の先祖をたどれば西郷村に行き着くのではないかと思ったが、そこまでで調べるのは止めた。
ついでに言えば「日南」という地名は新しく、「日向(ひむか、ひゅうが)の南に当たることから「日向」の「日」と「南」をくっつけて「日南市」と名付けられたようで、名字同様、地名の成り立ちは実に面白い。
(2)に続く
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