毎日新聞社、紙面を無料公開
視聴率や「絵になる」映像を求めて被災地で傍若無人な取材「活動」を続けるメディアが存在する一方で、感心したのが毎日新聞社の対応。同社は16日深夜熊本を襲った本震の2日後の18日(?)朝刊から西部本社版を無料公開したのだ。18日という日付に「?」を付けたのは私が気付いたのが当日だからで、もしかすると、1、2日前からだったかも分からない。ただ、私は毎朝タブレットで同社の紙面を読んでいるが、それまでは「無料」の表示に気付かなかったから、恐らく18日かズレていても1日前の17日からだろうと思う。
追加情報
5月9日午後、確認すると西部本社版の左上隅の<無料>タグがなくなっていた。
毎日新聞西部本社版の無料公開は5月9日朝刊までで終了になったようだ。
デジタル版は各紙とも有料公開である。無料で読める記事もあるが、大半は有料記事になっている。特にタブレットやスマートフォンでアプリを使って新聞紙面そのままの形で読めるビューアーはとても読みやすい。
PC上でブラウザーを使っても新聞は読めるじゃないかと思われるかもしれないが、ブラウザーで各新聞社のページにアクセスし読む記事は新聞紙面すべてではない。すべての記事が載ってない。正確に言えば、記事がジャンル別になっているため探しにくいのだ。時には紙面で読んだ同じ記事を探そうとしても見つからないどころか、検索してもヒットしないことがままある。これでは読めないのと同じことで、有料版でもブラウザーで紙面を読んでいる人はアプリで読む人より少ない情報量しか得てないことになる。
それはともかく、毎日新聞社は被災地熊本の購読者向けに九州全域をカバーする西部本社版を無料で読めるように公開したのだ。本来は従来の購読者向けサービスだろうが、エリア内の人なら誰でも、被災者であるかどうかにかかわらず、また被災地以外の人でも西部本社版に限り無料で読めるようにしたのである。
それだけでなく、地震の影響が大分方面にも出始めたると地方版の熊本県版、大分県版も無料公開した。西部本社版ともに朝夕刊を。ただし、PCではダメなようで、スマホ、タブレットのアプリでの閲覧に限るようだが、避難生活を余儀なくさせられている人達にとって、大きな支援となったに違いない。また被災地の人達に限らず熊本、大分の情報を知りたいと思っている人達にとっても。
因みに紙面を無料公開したのは毎日新聞だけで、朝日も読売もデジタル版の無料公開には踏み切ってない。できることなら各社とも毎日新聞に倣って欲しいし、今後こうした動きが拡がることを期待している。
保健同人社、アプリ「家庭の医学」を
期間限定で無料提供
被災者に情報を無料で提供する動きが他にもないわけではない。株式会社保健同人社(東京都)は約2000ページ分の医療、健康情報を収録した「家庭の医学」を見られるiPhoneアプリを4月20日から5月31日までの期間限定で無償提供している。期間限定とはいえ通常価格1900円が無償で利用できるのは被災地の人達にとって心強い支援になると思われる。ただ、同アプリはiPhone版のみでAndroid版はない(対応していない)ようなのがちょっと残念だが、毎日新聞社とともに好例を作ったといえる。大いに評価したい。
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