「チェキ」に売り上げで負けたニコン(1)


栗野的視点(No.782)                   2022年11月20日
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「チェキ」に売り上げで負けたニコン
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 紅葉シーズン真っ只中とあり、連日のように各地に出かけている。お供は先頃購入したCanonR10と、5年余り使っているFujifilmX-T10。NikonとFujiの2台持ちの時に比べるとリュックは随分軽くなったのはCanonのセットレンズ18-150mmの軽さのお陰だ。とにかくこのズームレンズは今まで持っているレンズの中でもずば抜けて軽い。しかも写りがいい。
 Fujifilmの18-55mmレンズの写りも抜群にいいが、このレンズ、作りがいいだけに重いのが難点。といっても他の同倍率ズームと比べてという意味だが。

 荷物が軽くなると欲が出る。これなら35mm短焦点レンズを付けたNikonD5300もリュックに入れても以前と重さは変わらないか少し軽いぐらいだから3台持ちにするかなどと考えてしまう。これでは何のために荷を軽くしたのか分からない。
 分からないといえばFujifilmが11月中にX-T5を発売するというニュースに接し、X-T5が欲しくなったことだ。つい先頃、FujiのX-T30を手放したばかりだというのに。

 まあ今度はレンズセットではなくボディだけでいいが、それにしても紅葉を撮っているとFujiの色の出方がいいのに惹かれる。Canonを買ったことでFujiの写りの良さを再認識したことになるとは。(各地の紅葉の写真は「栗野的風景」にアップしているので、ご覧ください)

 とはいえ振れる袖も打ち出の小槌もなく、せいぜい在庫レンズをキタムラにでも持ち込むぐらいしかないが、元々高額レンズを買ってないから下取り価格はジャンク品扱いに毛が生えた程度にしかならないだろうから、全て持ち込んでもとても足しにはならない。販売価格が下がるのを待っている内にまた新しいカメラが出るだろう。そうこうする内に購入意欲も薄れ、結局買わなくて済む、かもしれない。
 とにかく欲しがり虫がおさまるのを待つしかないが、後1か月足らずで紅葉シーズンも終わりカメラの出番もめっきり減るはず。そうすればカメラから意識が遠ざかる。それで当座は乗り切れるだろう。

 私的なことはそれぐらいにして、ニコンの状態がかなりヤバイ。本メルマガでも過去にニコンの売り上げ減については触れたが、コロナ禍でカメラが売れないという言い訳さえ通じないほどニコンの一人負け状態が続いている。
 かつてニコンといえばハリウッド映画で登場者が手にするカメラには「Nikon」の文字がはっきりと映し出される程で、「カメラといえばニコン」と言われるぐらい我が世の春を謳歌してきた。
 多少言葉は悪いがパナソニックやソニーのカメラは家電メーカーが造ったものと一段下に見ていた風がある。
 それが今ではどうだ。カメラの売り上げ上位を占めているのはソニーのミラーレスカメラで、ニコンのカメラはベスト10に1台か2台入る程度にしか売れてない。

 ニコンの売り上げ減はミラーレスカメラの普及、スマートフォン(以下スマホ)のカメラ性能アップと無無関係ではないが、ユーザー層の変化に対応できなかったことも大きい。
 観光地等で多く目にするのはスマホによる撮影なのは今更言うまでもないが、ニコンをぶら下げているのは圧倒的にシニア層。言葉を変えればニコンブランドを信奉しているのはシニア層で、それ以外の層へのブランド力はあまりないといえる。
 いやいや、若者の中にもニコンを使っている者を見かけるという反論が聞こえてきそうだが、もちろんシニア層以外にニコンを使っている者がいないと言っているわけではないし、どの層にも愛用者は必ずいる。
 しかし、その層(若者のニコン愛用者層)は「親がニコンを使っていたから」という「いつかはクラウン」的な子供の頃からの憧れに似た感情を持つ団塊ジュニアが多い。
         (2)に続く


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