デル株式会社

 


 認知症初心者老人。


栗野的雑感(No.809)                  2023年10月16日
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認知症初心者老人
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 この頃、自分が今どこにいるのか分からないことがある。朝、目覚めた時、車で走っている時、写真を撮りに行っている時などに、フッと分からなくなることがある。
 いや、認知症という程ではない・・、と思う。言うなら既視感。これは見慣れた景色という感じがするものだから、自分のいる場所が九州なのか中国地方、兵庫県なのか、福岡か実家の岡山県美作市か一瞬分からなくなる。

 特に地方に行けば車で走っていてもどこも似たような景色。ガストやジョイフルなどのファミレスやコスモスなどのドラッグストアはどこに行ってもあるし、コンビニに至っては地方のこんな所でもと思う程あるから、どこもほとんど同じような見慣れた景色になる。

 おまけに撮影で訪れる場所も街中はほとんどなく地方の景色ばかり。そうなると、この景色、光景は以前見たことがあるなどと思ってしまう。
 それが認知症の傾向と言われればそうかもしれない。そうならないようにできるだけ新しい場所に行きたい、行こうと考え、岡山県に滞在中は兵庫県北の丹波や神戸、淡路島まで足を伸ばしているが、それでも興味があり行く場所は都市より田舎。写真に撮るのも山野草や花などが多いから海の中道海浜公園も能古島も淡路島公園、とっとり花回廊も皆似たような景色。つい先日も彼岸花の写真を撮りながら、ここはどこ? と思ってしまった。

 認知症予防に変化、刺激が必要と思っても、心臓に悪いような変化や刺激はゴメン被りたい。となると、やはり楽しめる場所に行きたい。
 これからは紅葉と秋祭りが楽しみだが、祭りはヒョコヒョコと前の方に出て行きダンジリを曳く綱で弾き飛ばされそうになったり、祭り実行者に「危ない!」と怒鳴られたことも過去に再三ある。
 自分ではまだまだと思っていても脚腰と反射神経は確実に衰えている。だから咄嗟に避けられない。歳を自覚しなければと言われるし、この頃自分でも自覚、自戒しだした。
 そうなると静かに撮影できる紅葉や花を撮りに行った方がいいと考える。ところが、これも安全とは言い難い。10数年前の話になるが、岡山県森林公園の渓谷で足を滑らせ、カメラと三脚を持ったまま川に俯せに落ちたことがある。幸い浅かったからずぶ濡れになった程度で助かったが、助からなかったのは水没したカメラで買い替える羽目に。

 なら植物相手の撮影が安全かといえば、そうとも限らないから困る。田でも丘でもちょっとした傾斜は多く、わざわざそんなところから写真を撮らなくてもと言われるが、ベストポジション(?)狙いで斜面を降りていて足を滑らせ転び落ちそうになることは多々ある。
 気は若くても筋肉は確実に衰えているということだろう。頭では分かっているのだが・・・。

 話は変わるがこの頃朝が早い。数年前まで、夏は早起きで4時過ぎには起きていたが、最近は夏ではなく今頃早起きになった。早起きと言えば聞こえはいいが、早く目が覚めると言うと少し受け取り方が違ってくる。
 同じ現象でも言い方ひとつで変わるが、後者は年寄りは目覚めが早い、という風に受け取られる。
 まあ、私の場合どちらか分からないが、先日など3時半に目が覚めてしまった。午後3時半ではなく、朝の3時半だ。

 原因は就寝時間が早まったからで夕食(夜ごはん?)が終わると横になってうたた寝をしてしまう。酔っ払うからだが、アルコール類を飲むのは夕食より少し前。執筆しながら5時前後にビールかワインか焼酎を飲んでしまう。
 少しアルコールが入った方が執筆が進むと自分に言い聞かせ、今日はアルコール抜きと誓いながら、いとも簡単に破り、手を出す。
 実のところ、多少アルコールが入った方が執筆は進む。だが、酔っ払ってくると、その後が続かない。夕食中にはほとんど飲まないが、その前に飲んで酔っ払っているから食後はすぐ寝る。

 かくして9時前に寝てしまうものだから、どうしても早く目が覚める。さすがに3時台に目覚めた時は早すぎると思い、後1時間は寝ていようと思うが、それでも4時過ぎには起きてしまう。一度などそのまま3時半から起きてPCに向かってしまった。

 昨年までは毎朝ウォーキングをしていたが、さすがに5時前はまだ真っ暗だし、寒いからウォーキングはしないが、もし薄暗い内から歩いていると徘徊と間違われかねない。
 いや、まだそこまでは行っていませんからと弁明しても信じてもらえるかどうか。
 とにかくこの頃、人の名前が出て来ない。まだそれはいいとして、1、2年前に旅行に行った時のことを覚えていない。何々という名のホテルに泊まったでしょ、と言われても思い出せない。当然、その時の食事内容などは全く覚えていない。その旅行で行った先のことをあれこれ言われて、やっと思い出す始末。
 「老人力」が付いたなどと自慢できる話ではない。いやはやなんとも困ったものだ。

 #認知症 #老人力 #ウォーキング


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