(2)人の一本釣り:
高校での一本釣りが駄目なら、人の一本釣りをしてはどうでしょうか。知り合いや従業員に良さそうな高校生を紹介してもらい会社訪問をしてもらってはどうですか。そんなに大量に採用する訳でも無いでしょうから。その代り呼ぶ方は高校生は目的を絞って来るのですからそれなりの覚悟や体制作りが必要でしょう。
これは大学生が対象ですが複数の商社が資源系に強い大学に年に一人取るか取らないかも判らないのに担当人事部長と担当、同校出身若手社員を計3〜5名を出張させ大学やセミナー会場等で1日を掛けて説明会と個別相談に応じています。
商社は人が資本の強い面がありますが、製造業も結局最後は人では無いでしょうか。
(3)従業員の持ち株会社制度:
中長期的な面ですが、既にやっている所もあるとは思いますが、きちんとした運営規程を作って持ち株会を立ち上げては如何ですか。例えば条件は、1)議決権が無い事、2)退職時は持ち株会は自動退去で買い取り評価は公平なルールを作り本人の投資全体を通して損の無いような形で実行する事、3)配当ルールを作る事(例えば税引き後利益を、a.1/3:役員報酬、b.1/3:株主配当、c.1/3:内部留保)。その会社で働くことへのモチベーションが上がり、役員がそれなりに高い報酬をもらっても大きな不満はないはずです。
(4)長期の人財育成:
長い目で見て人材育成を行う事。例えばEentrepreneurship(起業家精神)教育を学校の先生方と協力して進め、商店街等で実施する。勿論、対象は小・中・高、出来れば大学生にまで広げたい。以前岡山東商業高校の高橋武彦校長(当時、今は津山で楽隠居のはず)が中心になって熱心に推し進めていたと了解します。
これは現在の製造業が実力よりも低い評価になっていると思いますので、現場を身を以て経験することにより、現在の不当評価を是正する効果もあります。大企業でもそうですが、特に女性では製造現場の評価は低く、かなりの方の希望が事務系職業に就きたいと言っています。しかし逆に女性は製造業には就職しやすい面があります。
例えば神戸製鋼所の神戸に新しく作った自家発電所の現場の紹介案内者は殆どが女性でした。事務所で書類と格闘している女性に比べ生き生きとしていました。
(5)縦コンソーシアムの組成と活動:
単発製造では無く、他企業等と連携してコンソーシアム(Consortium:連合体)を組成し、付加価値の高いものの製造にトライしませんか。その場合、横の連合では無く、縦の連合を作ることが必要です。縦の連合とは機能や製造品が競合しない連合。横の連合である同業者連合では競合他社が故に一番重要な得意分野技術等の提供をしない。下手をすると足の引っ張り合いになる。縦の連合では意見を出し易く、住む世界が違うので変なプライドを持つ必要が無く、良いアイデアを壁を作らずに取り入れることが出来る。一方、官公庁は公平さを求められる事と同業他社の集まりは管理がし易い事の他に同業他社同士をを競わせて自分たちに跪かせようとする傾向があります。人参が美味しそうだからと言ってこれに
乗ってはいけない。
縦コンソーシアムはそれに近いものが津山のステンレス加工であったと思います。
長くなりましたが、中小企業であれ何であれ、進化し自己増殖する組織で有ることが必要かと思います。
マインドとして経営者は若い人に対し夢を与えることが一番の仕事です。そうすれば若者はチャレンジ精神で答えます。
他の言い方をすれば明日に夢があれば今日はどんな苦しいことも我慢出来ますが、明日に希望が持てない時は今日がどんなに楽しい事でも暗い気持ちになってしまいます。これらは私が身を以って体験したことです。
その他色々とこの機会に整理してみましたが長くなるので別の機会にでもと思っています。
太田 辰夫 Ota Tatsuo(Mr.& Ph.D.)
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