栗野的視点(No.811) 2023年10月28日
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水道水が生命を脅かす。
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経済優先が社会を崩壊させている
「大きいことはいいことだ」というCMがかつて流行った。記憶されている方は昭和世代だと思うが、流行ったのは1967年。この頃を境に日本の産業・経済は、いや世界は拡大路線をひた走り、未来に希望を感じさせられた時代である。
その一方で四日市ぜんそく公害訴訟が起こり、大気汚染の深刻化という負の側面も比例して拡大していったが、人々は拡大=成長=豊かさと思い込み、負の側面には目を瞑るか、せいぜい片目を開けて見るだけで、拡大・成長の方ばかりを見詰め続けてきた。
だが、本当に「大きいことはいいこと」なのだろうか。拡大・成長路線はこの星に住む人々に幸福をもたらした、もたらしているのだろうか。
今、我々はそのことを真摯に考えさせられている。例えばここ1、2年、日本列島を包む気温は確実に上がっている。いや日本列島だけではない。地球を包む大気が「温暖化」どころか「沸騰化」の時代になったと世界で認識され出した。
我が家のベランダでは朝顔3本が10月初めに新芽を出した。夏から咲いている朝顔の実が下に落ち、そこから発芽したのだ。ただ、双葉が3つ葉か4つ葉までにはなったが、それ以上には成長せずに止まっている。
朝晩と日中の気温差で発芽時期を勘違いしたのだろう。季節を勘違いした植物は他にもある。10月27日、コスモスの写真を撮りに佐賀県の金立コスモス園に行ったところ、桜が開花しているのを見つけた。
この時期に咲く桜は十月桜、四季桜で秋から春にかけて咲く桜の種類である。だから、てっきり十月桜だと思った。だが1本だけでなく桜並木の木の多くが花を咲かせているのを観て、植えられている桜の木はソメイヨシノだと判断。公園に十月桜の並木は見たことがないし、その花公園に十月桜並木があるという情報にも接したことがない。
やはり季節を勘違いしたソメイヨシノの開花。季節がそれくらいおかしくなっているということの証左だ。
それでも地球温暖化、地球沸騰化という抽象的な言葉では、夏が例年以上に暑くなった、冬が暖かくなった、日本列島は四季がなくなり二季の時代になりそうだ程度の認識で、今すぐ生命を奪われるわけではないと捉えている人が多いのではないだろうか。
いやいや、そんなことはない。かつては大衆魚の代名詞だったサンマの価格が高騰し高級魚になってしまったのも地球温暖化の影響だから危機意識はあると言われるかもしれない。
それでも生命を奪われる危機とまでは捉えられていないだろう。
(2)に続く
#PFAS汚染
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