流行色は時代を映す鏡
まず人は黒にどのようなイメージを持っているだろうか。プラスのイメージとしては次のようなものが挙げられる。
厳か、厳粛、重々しい、モダン、高級感、強さ、権威、神秘的な雰囲気
こう見てくると車、特にセダンに黒色が好まれる理由が分かってくる。高級感、強さ、権威を象徴しており、そうした車に乗っている人のステータスを高める車の色だから、すでにステータスがある人はより権威づけるために、そうでない人はそれなりに思うから黒色の車が売れてきた。つまり黒色が持つイメージと売れ行きの間には密接な関係がある。
次に時代背景、社会背景との関係で見てみると、黒色などモノトーンが流行る時代は華やかで活気に満ちた時代、社会ではなく、その反対の時である。景気が悪い時、戦争などで世相が暗い時代はモノトーンが主流、あるいはモノトーン一色になっていたことは過去の歴史からも明らかだ。
このように流行色はその時代を映す鏡でもある。では、今なぜ赤色を筆頭にカラフルな色が流行っているのか。
一つには「好景気」だからである。好景気という言葉をカギカッコ付きにしたのには皆が皆、好景気と感じているわけではないからだ。
いまや所得層は二分化され、どちらかと言えば低所得かそれに近い層の方が多数を占めている。にもかかわらず「好景気」というのは平均点と中間点の差みたいなもので、経済指数の取り方に問題があるのだが、そのことはまた別の機会に回す。
それでもこのところ経済界は潤っていた。それは人手不足現象が続いていたことからも分かる。実際にモノも売れていた。
こうした好景気の時は色が明るくなる。ただ洋服などのファッションとは違い、車は企画から実際に発売されるまでに時間がかかるため、実際の景気とカラフルな色の車が出回りだすのにタイムラグがあるが。
(3)に続く
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