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TPPの問題に関して、エンジニア側からのコメント(3)
〜エンジニアとして農業の問題に取り組めないか


工業製品なら競争力の視点のないビジネスは考えられません。農業製品に於いても、地産地消、輸送にかかる温室ガスの問題、食のセキュリティーと言った観点で付加価値、さらに技術が何処までカバー出来るかなどの議論は必要ではないでしょうか。


このごろ植物工場の話が話題になっています。食問題の解決と言うよりは話題性先行であり、商社などもビジネスとして狙っています。水耕栽培が主で、目方当たりの価格など限定した話です。まだ、採算点超えていないでしょう。葉もの野菜などは、穀類よりは小面積で栽培が成り立ち、LED、環境制御のエレクトロニクス、省力の観点から工業化を意識した実験的な技術開発は進んでます。冬場に、ビニールハウスで野菜を作るよりは技術志向として面白いです。まだ、規模を拡大して採算が取れるのかの目処が立っていないと思います。しかし、規模が大きくなれば、エレクトロニクス制御、栄養も含めて環境コントロールなどのコストも下がるのが工業技術の常です。

勿論、植物工場の技術を水田、小麦、大豆、トウモロコシなどに適応出来る話ではないことはわかっています。でも、手をこまねいていたら、農家の高齢化や休耕田で土地の荒れは確実に進むでしょう。若い人が、田舎に住んで農業を考える動きも有りますがやはり、個人的なインセンティブでは限界で、組織的な力にはなってないでしょう。


エンジニアリングの世界では、課題を決めてチャレンジするプロポーザルに対して補助金を出し、或いは研究開発費を国が負担する仕組みです。どの分野をその様に選定するかが、国策で有り、戦略の優劣です。厳密な審査を経ても、勿論100%の成功率ではないし、失敗しても、予算を返却と言うことはありませんから、出来高払いではないです。

農業政策を考えると、減反補償、個別所得保障はポジティブな発想ではない気がするのです。工業技術で言えば、研究開発費に対して減税を実施したり、省エネ機器開発にトップランナー認定を与え、他のメーカ機種と差違化をするなど、出来たことに対して応援をする仕組みがあります。

科学技術基本法で科学振興費に割り当てられる予算と農業予算との比較、分析の議論も大切です。


遊休地を大規模に農場化する、それに参加する資格も法律的な問題もあるのでしょうか?思いつきでは困りますが、特区として認め、意欲のある人の事業計画を産学官で議論し、遣ってみると言う動きはあるのでしょうか?そして、各地域には大学に農学部があり、バイオなどの取り組みは盛んですが、もっとマクロな、社会基盤としての農業を考える仕組みは活発でしょうか?地域の取り組みが出来ないものでしょうか?私など素人が考える話なので、世の中で議論は活発にあると思います。

 清水さん、いつも考えさせられる視点でのコメントありがとうございます。
農業問題は非常に複雑かつ一分野に留まるような話ではなく総合的な問題を抱えていると思います。中小零細企業や個人商店の問題と同じように。
 私が少し前から疑問視というか、考え直している問題があります。それは近代工業化の過程で行われてきた生産と消費システムはバブルと同じではないかということです。我々が「発展」と思ってきたことが実は「発展」ではなく、異常な速度で膨張を続けている「バブル」ではないのか、ということです。

 「発展」「進歩」という言葉を使えば、善の方向のようなイメージを受けます。
だが、「バブル」「転化」と言い換えれば、受けるイメージは随分変わります。
ダーウィンの「進化論」は誤訳で、本当は「転化論」だとある科学者が言っていました。進化という言葉には進んでいくというイメージがあり、優秀な生物が残って行くというイメージで受け取られているがそうではない。ただ単に環境に適応した生物、それは逆に劣等生物かもしれない、と。

 もしかすると、現在は人類史の中で稀有なバブル時期なのかも分からない。
特に中国を見ているとそういう懸念が広がります。もう少しゆっくり進んだ方がいいのではないか、人類は。最近、そんな考えに捕らわれていますが清水さんはどう思われますか。




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