栗野的視点(No.763) 2022年3月30日
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ウクライナ戦争に関して読者から届いたメール
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今号は岡山市の読者、中原成始郎さんから届いたメールを送ります。
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栗野様
ご無沙汰しています。
プーチンによるウクライナ武力侵略のメルマガに同感です。
ビロード革命やチャウシェスク体制の崩壊など1990年前後に起こった
多数の国々での民主化体制への変化から30年がたち、今や香港・ミャンマー
をはじめとして全く逆の動きが頻発し始めているのがとても気になります。
武力などにより、人々の行動や発言の自由を奪うことは人の社会の中で
もっともしてはならない行為です。人の命を奪う事はその最たるものだと思いま
す。
香港やミャンマー、そして今回の出来事でも感じるのですが、絶対的権力と
武力に対して抗する手段があるのだろうかと悩みます。
常々警告を発されているように
こうした事態が起こる前に、絶対権力者の暴走を許さない体制の持続は必須です
が。
やむに已まれぬ武力を否定するものではありませんが、武力に武力で対抗しても
被害拡大するのみで泥沼化しかなさそうです。
唯一期待するのは、あの70年代や90年代に見られた民衆パワーしかないと思
います
民衆パワーが増大して、自らの地位が危うくなった時に初めて独裁政権が揺らぐ
のだと思います。香港しかりミャンマーしかりウクライナしかり、国内での抵抗
パワーを持続するための支援を続け、国外からも声を上げ続け支援する必要があ
ります。
ヴェトナム戦争でも各国での反対運動・脱走兵の支援運動・そして本国アメリカ
での厭戦・反戦運動の高まりが戦争を終結させました。
プラハの春ではソ連の戦車に立ち向かった市民・学生の力の凄さを本で読むたび
に感動を覚えています。
歴史は政治家だけでつくられるものではなく、名もない人々の賛同・無視・反発
の上で動いて行くのだと思います。
芸能人のゴシップに揺れるマスコミに乗る太平楽な日本、そして江戸時代からお
上に弱い日本人
とても心配です。
権力者や独裁者が自ら出てくるのではなく、民衆がよそ見をしていたり・すり寄
って行ったり・あるいは神輿を担ぐことでこうした状況が生まれるのではないの
かと思います。
日本軍部内部の争いとは別に、一般民衆はどう動いたのか?
ナチスのあの狂信に、なぜ一般民衆が拍手喝采を送ったのか? など
いつか栗野さんに、下からの視点が欠けていると申し上げたのはこうした構造の
事を言いたかったからです。
昔と違い、様々なニュースが飛び込んできますが、果たして何が真実なのかわか
らない恐ろしさを感じます。最近第2次大戦を扱ったスパイ小説ばかり読んでい
ますので、余計にそう思います。デジタルの進歩で目の前で起こっていないこと
が、目の前で起こっているように思える時代になったので厄介ですね。
声をあげる栗野さんの熱に動かされました
中原
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