「お客様のために」という顧客志向に立つべき
異常だらけの年末になりました。
12月とは思えない暖かい気温なのは助かりますが、暖房費の浮いた分を帳消しどころか、財布を凍えさせる不況の波。
庶民の懐具合を知らない金持ちの総理は毎晩バーで1杯やっているそうですが、この14日には北九州エコタウンを視察し、「民間で銭にしちゃおう、しのぎにしようというところがすごいね」と感心したというから開いた口が塞がりません。
リサイクル事業を暴力団の資金集めと同じにして、「しのぎ」と言ってのけたのですから、もはや漢字を知らない等というレベルではないでしょう。
この国のトップがこんな人では経済回復の有効な手は望むべくもないでしょう。
まさにお先真っ暗、といって頭を抱えているだけでは何も解決しないし、気分が暗く沈むばかりですから、少し明るい話題を提供しましょう。
北九州のメーカー、Y社のM氏から次のようなメールが届きました。
今日は10月から担当している四国(徳島県)のお客様の件で感じたことをご連絡します。
お客様名はS化工機という充填機メーカです。
そこのお客は、ヤクルト、明治乳業、大塚製薬などの大手食品メーカです。
・S化工機の機械は、駆動系のモータ・コントローラはオール三菱です。
これまで当社は何度なく攻略を挑みましたが、慣れ・メンテ等の理由から
ろくにPRもできない状態でした。
・今回あるきっかけで、技術部隊にうまくアプローチできて、弊社工場にも
お連れしてPRを存分にすることができ、今後の足がかりができました。
・その時にS化工機の技術の方から「Y社のモーションコントロール技術の高さをあらためて認識した」と言って頂きました。
↓
そこで感じたことがありました。
装置メーカにとって、一社独占採用が本当にそのお客の競争力アップになるのか? と。
もしかしたら、他メーカの機能・性能を知らずに、従来からの1社だけをある意味「安易に」に採用されているのではないか?
↓
我々メーカの営業は、そのお客様が市場で競争力を高めて頂くために
お役に立ちたいという気持ちを忘れてはいけないとあらためて感じました。
逆に言うと、当社の電機品でどういう形で競争力を高めて頂くことができるのかを明確にアピールできればお客の気持ちは動くと思うのです。
ただ、PRして買ってほしいという気持ちだけを前面に出してもお客は気持ちを開いてくれません。
このことは十分判っていたはずなのに、身に付いてはいなかったのです。
これからも「毎日が勉強」のつもりでがんばります。
M氏は現在、Y社の大阪支社勤務ですが、1年前に大阪から福岡に転勤で来て、今春再び大阪に転勤になりました。福岡に来てすぐ「土曜日に勉強会をしているところを探していた」と、リエゾン九州の勉強会に参加されました。ところが、1年足らずの付き合いで再び大阪転勤。しかし、その後も時々メールのやり取りが続いています。
M氏のメールを長々と引用したのは、近年、企業の営業力が落ちているように感じていたところに、頑張っている報告が届いたからです。
皆さんの参考にもなるのではないかと思います。
さて実際に営業をしていると、S化工機のような例は多いと思います。
決まった取引先があり、そこががっちり固めている。
担当者にすら会えない。
こんなのはまだいい方で、大手企業の中には技術のブラックボックス化どころか、情報のブラックボックス化を図っているところさえあります。
一切の情報が外部に漏れてこないので新規参入はもちろんのこと、従来から付き合いがある企業でさえ、よほどアンテナを高く上げ、感覚を研ぎ澄ましてないと先方企業の動きが分からず、新しい提案などはとてもできないでしょう。
こうしたことからも分かるように、営業には<優秀な人員を配置>する必要があります。
(次号に続く)
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