先日の有田町では多くの人と名刺交換をしましたが、後ほど名刺を整理しながら、あることに気付き、驚くとともに感心しました。
なにかというと名刺の住所です。
「佐賀県有田町○○」と記されていたのです。
最初のうちは気付かずそのまま住所録に入力していたのですが、そのうち「あれっ」と思いました。
有田は合併して「佐賀市」になったのかと思ったからです。
そこでもう一度見直してみるとやはり「佐賀県」と記されていました。
そこでほかの人の名刺も繰ってみると「佐賀県西松浦郡有田町」と記したものもありました。
そう「西松浦郡」という箇所が省かれていたのです。
これには感心すると同時に、有田の人々の誇りを感じ取ることができました。
日本国中どこに行っても有田焼を知らない人はいないでしょう。
有田焼の産地を佐賀県ではなく長崎県と勘違いしている人はいても、有田焼を知らない人はいません。
だから堂々と「有田町」だけを名乗っているわけで、そこに産地としての誇りを強く感じました。
さて、その有田町に<碗琴(わんきん)>というものがあります。
かくいう私も先週、有田に行くまで知らなかったのですが、大有田焼新興協同組合・専務理事の筒井孝司さんから「趣味で碗琴をしています」と言われ、後日資料を送っていただいて初めて知った次第です。
「碗琴」−−文字から察して木琴の「木」の代わりに「碗」、つまりお椀を叩くのかなとは思いましたが、有田焼でできた碗、皿、湯飲みなどの磁器をバチで叩く演奏です。
筒井さんに碗琴演奏のCDをいただきましたが、有田焼磁器の澄んだ音色が気に入って、早速原稿を書くときのBGMに流していますが、有田焼の碗を集めて楽器にしたところが面白いですね。
地域の独自性も感じます。
筒井さんが碗琴の演奏を始めたのは平成14年といいますから、今から5年前ですね。
以来、県内をはじめ各地で演奏活動を行われているようです。
1昨年にはドイツで開催された「ドイツ有田陶芸展」でも碗琴コンサートを行い、喝采を浴びています。
有田といえば有田焼のイメージしかなかったのですが、碗琴や有田磁器太鼓、有田焼のオカリナ、横笛などの演奏もあるようです。
それにしても普通のお碗を集めて演奏する「碗琴」はユニークだと思いませんか。
実はいま、この碗琴コンサートを聴くことができるのです。
場所は佐賀市の佐賀県立美術館。
10月30日〜11月11日(日)まで同会場で「佐賀県陶芸協会展」が開催されています。
そのイベントとして下記日程で演奏されます。
11月3日(土)13:30、15:30
4日(日)11:00、13:30、15:30
8日(木)15:30
10日(土)13:30、15:30
11日(日)16:00〜
演奏時間は各30分程度
興味がおありの方はぜひ会場に。
有田焼の有名作家の作品を鑑賞しながら、碗琴に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
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