開花しないフローランテ宮崎
さて翌日、ジャカランダに再チャレンジするかとも考えたが、昨日K氏と楽しいひと時を過ごしたことで宮崎に行った目的を果たした気がし、日南までの往復3時間を走る気がすっかり失せ、取り敢えず一ッ葉海岸近くにある「フローランテ宮崎」に行くことにした。
「花のまちづくりの推進拠点としての植物公園」「市民や観光客が四季折々に花と共にある生活を楽しめ、多彩なイベントが催される、都市緑化植物園の機能をもつ都市公園」という謳い文句に惹かれ、「とっとり花回廊」(鳥取県西伯郡南部町)に似たものを想像したからだ。入園料は「花回廊」の1000円に比べ310円と安い。これなら植物園などの入園料と同程度だから入園者は結構多いだろうと思った。が、入り口に立った瞬間、予想とは違う空気を感じた。全体から漂ってくる感じが静か過ぎるのだ。図書館ならそれでいいが、ここは「植物公園」「都市公園」だ。足を踏み入れるのを一瞬躊躇したが、入園料の安さに、まあいいだろう、とチケットを買った。
ゲートをくぐって最初に迎えてくれたのは夏らしいヒマワリの花。「ん、いけるかも」。そう思ったのも、カメラのシャッターを切ったのもそこまでだった。
取り敢えずぐるっと1周してみた感想は、
・家族連れでピクニックに来るなら安上がりでいい場所
・花を目当てにわざわざ来ると期待外れでガッカリする
・入園者の少なさから赤字経営はまず間違いない
・やがて広大な廃墟になるだろう
というものだった。
来年で20年を迎えるというから「とっとり花回廊」に1年遅れての開園である。
「何とかしようという気はあるのか」
「イベントはやっているのか。ハウステンボスを真似て様々なイベントをやれば人は来るだろう」
「最近流行りのコスプレでもいいじゃないか。コスプレ大会でも催せば若い人も来るし、ついでにカメラマンも来るだろう」
「花の植え方が中途半端。数は力。一面ヒマワリとかコスモス、アネモネが咲いていれば人は圧倒されるし、それで人が呼べる」
「内部で企画会議とか、そういう意見は出ないのか」
「このままでは遠くない内に広大な廃墟になるのは間違いない」
来て、見て、ガッカリしたので、周囲に人がいないのを幸い、若い職員相手にハッパをかけてしまった。
相手をしてくれた若い女性はこちらの意見にほぼ賛成していたようで、ついでに内情を色々教えてくれたが、市の外郭団体は上層部は天下り。無難に過ごしたいという考えの持ち主で余計なことはしたくない、余計なことはするなの事なかれ主義のようだった。
(3)に続く
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