Windows10への無償アップグレード期限は今年7月28日まで。いままで様子見をしてきた人もそろそろアップグレードを考えている頃ではないだろうか。だが、ちょっと待て。いま使っているPCは本当にアップグレードした方がいいのか、それともいまのまま使い続けた方がいいのか。そこをよく考えずに無料だからと飛び付いてアップグレードすると失敗する。
では、アップグレードできるPCはどれで、リスクがあるのはどのPCなのか−−。
実は私自身、Windows10(Win10)へのアップグレードに一度失敗し、Windows8.1に戻したことを「栗野的視点(No.518)」(2015年8月30日配信)で紹介したので、ご記憶の方もいるだろう。
その後、再度Win10へのアップグレードにチャレンジし、いまは2台のPCがWin10、1台がWin7という構成になっている。なぜ1台だけWin7のままなのか。一つにはマイクロソフトからアップグレードの準備ができたという通知が来ないからだが、もう一つの理由はPCが古いからだ。
OSはWin7だが、買った時はVistaだった。ただWin7への無料アップグレード付きだったため、購入後すぐWin7にアップグレードした。
三つ目の問題はマザーボード内蔵電池が消耗し、現在時刻が表示されなくなった。PCの内蔵時計が狂うと様々な不都合が起きる。私の場合は毎回起動時に2008年6月の日付(恐らく出荷時の日付)になるので、それを手動修正しなければならない。これが手間だ。
それを怠るとまずセキュリティソフトが正常に機能しなくなり、その他のソフトにも不都合が起きる。具体的には最新バージョンへのアップを促され、毎回各種ソフトのバージョンアップを行わなければならない。カレンダーは2008年が表示されるし、メールの送受信日付も2008年になるから、受信メールは雲隠れしたも同然になる。
まあ、そんなこんな不都合があるからこのPCを特にWin10へアップしようとは積極的には思ってないのだが、古いPCをWin10にアップグレードした場合どうなるのかを確かめてみたいという気もある。PCがスクラップになるのを覚悟の人柱実験だ。
しかし、私の代わりに人柱になった人がいたので、その例を紹介したいが、それは後述するとして、その前にWin10へのアップグレードする時期について。
10へアップグレードするならいま
昨年11月、Win10になって初めての大型アップデートが行われた。「初期ロットはよくない」とは多くの製品で囁かれることだが、Win10も同じ。特に市場投入直後は色々ゴタゴタがあった。その度に手直しのマイナーアップデートが行われたが、その段階でPCが再起動を延々と繰り返す「無限ループ」に襲われ、ついに前のビルドのWindowsに戻した人も結構いた。かくいう私もその一人だったのだが。
昨年11月下旬に行われたアップデートも開始直後は多少ゴタゴタがあったが、年を明けた頃には落ち着いたので、いままでWin10へのアップグレードを躊躇、あるいは様子見をしていた人も2月も半ばを過ぎたいまならアップグレードしてもほぼ大丈夫だ。
ここであえて「ほぼ」と言ったのは100%安全とは言い切れないからだ。ついでに付け加えておくとアップグレードをする場合はすべて自己責任で行うよう。万一に備えて各種ソフトその他のバックアップを取っておくに越したことはない。
かといって、どのPCでもいいかというとそうとも言えない。まずWin10への無償アップグレードが適用されるのはWin7、8、8.1のOSのみなので間違いなきよう。それ以前のWindows、例えばWinXPやVistaは対象外だ。
さて、Win10へアップグレードするならいま、と言ったが、OSはWin7以降、マイクロソフトからのアップグレードの通知等、各種条件を満たしていてもそれでもWin10への移行がスムーズにいく場合とそうでない場合がどうやらあるようなので、その辺りはしっかり注意してもらいたい。
(2)に続く
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