開発は常に3カ月以内。
それ以上かかるものは作らない。
−−さて「CS Microserver」開発のいきさつですが、北米NO1の電子部品商社の日本支社から話があったということですが、社名を含めもう少し具体的に教えてください。
平田 ブラックボックスという会社で、そこに友人がいまして、「平田に頼むとできるかもしれませんよ」と言ったので、私に話があったんです。
世界中探してもなかったので、できると言ってるし、とりあえず試してみるかというぐらいの気持ちだったのでしょうね。
−−まさかできるとは思ってなかった?
平田 そう。通常こうした場合、版権は向こうが持つのですが、「安く作ってくれるなら版権から著作権から全部あげる」と言われましたから。
−−具体的にはどのようなソフトを作ってくれと言われたのですか。
平田 ブラックボックスという会社はインターネット上で自社商品をオンラインショップで売っているんですが、お客さんが買いに来た時に迷子になっているので、それをこちらから誘導してスムーズに買えるようにしたい、と。
ただし、そのためにお客さんに特別なソフトをインストールして欲しくはない。
お客さんの方と繋げたいのは画面とキーボードとマウスだけ。
お客さんと画面を共有しながらHPとかエクセルのデータを見せて説明したい。
しかし、お客さんに見せる画面を事前に加工したりするのは手間暇が余計にかかるから嫌だ、と。
またルーターをいじらなくていいのがいい、というのもありました。
−−ルーターをいじらなくていい?
平田 ルーターがセキュリティをとっていてHPとメール以外は見せないというのがあるんです。そういうのを意識しなくていいのがいいということでした。
−−開発にあたって特に難しかったのはどこですか。
平田 強いて言えばルーターをどう超えていくかという箇所でしょうかね。
−−開発に要した期間は?
平田 約2カ月です。
−−えっ、わずか2カ月?
平田 3カ月以上かかるものは作らないというのが私の信条です。3カ月以上かかるものは途中でお客さんの気が変わったりするし、世の中が変わって、どんどんコストがかかるんです。
その点、3カ月以内でできるものは仕様も固まっていて、途中で変更もないんです。だから人数を増やしてでも3カ月以内に作るというのがうちの方針です。
−−非常に短期間で作ったわけですが、先方の評価はどうでした。
平田 こんなものができるんですか、と驚いていました。それで「これは売った方がいいですよ」と先方から言われました。
手間暇なしの簡単さと
セキュリティの高さが評価
−−オンラインショップ用に開発したソフトだが、現在はむしろそれ以外の用途の方で利用されているようですね。
平田 そうなんです。最初はオンラインショップに来るお客さんにとって便利なようにと考えて作ったんですが、営業に回っているうちに「これを社内用に使いたい」と言われたんです。
−−どのように利用されていますか。
平田 建築設計事務所がお客様の所でCADを見せながら営業し、その場で修正等をするとか、印刷デザイン事務所がお客様とレイアウトや文字の確認をするのに使ったり、金型設計会社が複雑な設計図を互いにCADを見ながら説明するのに利用されています。
ほかにも会計ソフトの開発会社や電話機の販売会社、パソコン学習会社、オンラインショップの運営会社などで利用されています。
また本支社間でミニ会議を行うのに便利だと利用されています。互いに一つの画面を見ながら行えますし、修正があればその場で出来ますから。しかもソフトのインストールは主催者だけで、他の参加者はなにもしなくていいんです。
−−使い方によって色々用途が広がりそうですが、ソフトやファイルを共有するとセキュリティ面の不安がでると思いますが。
平田 その点も大丈夫です。当社のソフトの場合、データを持ち歩くわけではなく、先方で画面を共有してみるだけです。相手先のパソコンで画面を共有していても、相手先がダウンロードはおろか、印刷もできませんから。まさにセキュリティは万全です。
−−なるほど。ブラックボックスの担当者がソフトの出来に驚いたのはよく分かりますね。残る課題は営業力ですね。
平田 そこが弱いんですよ。
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CS Microserverの説明(PDF)
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